「終わった。 じゃあ俺帰る。」 少し経ち、上沢くんが立ち上がるなりすぐ帰っていった。 「うわ、あいつ逃げちゃったよ。 今日は冬夜の分もあるっていうのに……!」 金城くんが恨めしそうにドアを見つめる。 そうだ、2人は椎野くんの分もあるんだ。 私は自分の分でいっぱいいっぱい。 だから手伝うなんてしたくてもできないのだ。 もしかしたら明日でも終わらないかもしれない。 なんて不吉なことを考えながら、私は必死に作業に取り掛かった……。