「まあ、うん。
なんて言ったらいいのかな?」
金城くんが返答に困り、中川くんに助けを求める。
「………磯村さんが昨日見たっていう女は、冬夜の兄貴の彼女らしい。
それでいて、冬夜の初めて好きになった女でもあるから冬夜は揺れてて悩んでる。」
「まあ、なんだ、その……初恋の相手が、好きだった相手が手を伸ばせば届く位置にあるってなったらなぁ。
いくら相手がいても初恋の相手なんか中々忘れられないもんだろ?」
「それ、夏目自身のこと言ってんじゃねぇの?」
金城くんの言葉に中川くんが指摘し、金城くんは少し焦った様子になる。
「今はそうじゃなくて、2人のことだろ……!」
それが咲ちゃんを指してることは私でもわかった。



