驚きもあったけど、次に嬉しいという感情が湧いてきた。


「い、いいの……?」
「何が?」


「一緒に帰っても……」
「磯村さんは嫌なの?」


「い、嫌じゃないよ……!
す、すぐ終わらせます!」


そう言ってまたパソコンに向き直り、急いで仕事を片付ける。


そんな私を見て、さっきまでの不機嫌そうな感じから一転、軽く笑い出す中川くんの心情はわからないまま私はパソコンの画面に集中した。


終わってからシャットダウンをし、今度は帰る準備をする。


「………慌てなくていいから。
忙しいやつだな、磯村さんって。」


「だ、だって、中川くんを待たせたくなかったから……。」


待たせるなんて悪いし、なにより嬉しくて早く帰りたかったのだ。