早く俺に溺れろよ〜好きと言われたその日から〜




ーー下校時刻を促す時間に一度チャイムが鳴った。


そこでようやく結構時間が経っていたことに気づいた私。


周りを見ると、いつのまにか上沢くんと金城くんが帰っていて天音ちゃんと椎野くんも帰る準備を始めていた。


「杏奈ちゃん、いける?
手伝おうか?」


これから椎野くんと一緒に帰るのだろう。


それなのに到底手伝ってほしいなんて言えるわけないし、本当にあと少しだったから丁寧にお断りした。


「だ、大丈夫……!
あと少しだし、バイバイっ!」


「そう……?
じゃあ頑張ってね。」


そう言って2人は出て行き、また静かになる。


ちらっと中川くんの方を見ると、さっきよりも険しい顔で何かを書類に書いている様子だった。


うわぁ、かっこいい………。