早く俺に溺れろよ〜好きと言われたその日から〜




「次同じことした時に俺の機嫌が良かったら教えてあげる。」


あんた物覚え悪そうだから、とその後に付け加えられ上沢くんは席へと戻っていった。


「あ、ありがとう……!」


一言余計な上沢くんだけど、案外優しい部分もある。


今回も助けられたのは確かだったから私はお礼を言った。


「……あんたにお礼言われても嬉しくないね。」


素直に受け取ってくれたらいいのに、お礼を言っただけでも厳しいことを言ってくる。


だけど、根は優しい人だから………と思うと許せてしまう。


こういうところを含めての上沢くんなのだ。


その後は特にミスもないまま、私は最後までやり通した……。