そんな私の視線に気づいたのか、ふと上沢くんがこちらを向いたから急いで俯く私。
不自然、だったよね……。
なんて思いながらも、必死でパソコンを操作してみるがデータの修復はできない。
半分泣きかけになっていると、突然私の後ろに誰かがきて机に手を置き、パソコン画面を覗き込むように見た。
「………うわ、データ全部消えてるじゃん。」
それは紛れもなくさっき視線をそらしてしまった相手、上沢くんだった。
「え……なんで……」
「あんな泣きそうな顔してたから来てやっただけ。
それにしてもあんた、本当に鈍くさいね。」
後半は私をけなしたのかもしれないけれど、そんなことより来てくれたことに安心した。



