「………名前で呼ばないで。
杏奈行こう。」
「………えっ……?」
私が聞き返すと同時に咲ちゃんが私の腕を掴んで引いた。
いつもと違う咲ちゃんに違和感は大きくなり、ついていくことにした。
だけどせっかく2人も来てくれたのだ。
もしかしたら…………知られていたのかもしれないとも思う。
だから……
「あ、あの……2人ともありがとう……!」
どうしてもお礼だけは言いたかった。
そんな私を見て、中川くんも金城くんも笑ってくれた。
「どういたしまして。」
「また今度食べようなぁ!」
そんな2人の優しさに触れながら、私は咲ちゃんの後ろへとついていった。



