すると向こうも私に気づいたらしく、少し驚いた顔をした。


「うわっ、びっくりした……!」
「………あれ、君は……」


「あ、えと……その……」


2人の視線が私にきて緊張のあまり言葉が出ない。


いっそのことこの2人にまとめたプリントを渡して帰ろうかと思ったその時………


「君は、磯村さんだよね?」
「………え!?あの光輝が」


会計の人が私の名前を呼び、そのあと副会長が何か話そうとした瞬間……


「おい、お前ら早く帰れ。」


奥からドスの効いた低い怖い声が聞こえてきて、思わずビクッと体を震わせる私。


相当お怒りのようで…………


原因は私かも、と思うだけで泣きそうになる。


「帰るよ、すぐ帰りますーだ。」
「行くぞ、光輝の邪魔はできない。」


せめてこの2人がいてくれれば………


そんな淡い期待も儚く消え、2人は帰ってしまった。