だから中川くんが戻ってきたとき、嘘をついたのは少し胸が痛んだけれど、先生に聞いた教科もあるので嘘ではないと思い込んだ。


「冬夜?なんでそんなに落ち込んでるんだ?」


………だけど鋭い中川くんはすぐに周りの変化に気づく。


「落ち込んでない……!
覚えてろよ、次こそ勝ってやる……!」


「……は?何がだよ。」


「冬夜は今闘争心で燃えてるの。
そっとしといてあげて。」


「………いきなりだな。」


「それはそうと光輝くーん、この書類の作成ってどうすんだっけ?」


「………はぁ、夏目それこの間もやっただろ。」
「あれれー?そうだっけ?」


だけどそんな中川くんに気づかれないようにと、天音ちゃんと金城くんが必死に話を流す。


………な、なんか悪いことしたな……。


それでもなんで言ったらダメなのか不思議に思いながら、私は1日を過ごした………。