「まあ俺は全然タイプじゃないけどね。
今だってブッサイクな顔してさ。」
くくくっと笑い出す上沢くん。
さ、最低だこの人………!!
少ししてやっと離してくれたけど、まだ少し笑っている。
ていうか、こんな表情もするんだなぁと思った。
少しだけ、ほんの少しだけ苦手意識が薄れたかもしれない。
「まあこれからさ、わからないことあったら俺に聞きなよ。
寝起きか不機嫌じゃない限り、気が向いたら教えてあげる。」
寝起きか不機嫌じゃなくても気が向いたら、なんだ………。
いい人なのか悪い人なのか本当によくわからないな。



