「はーい、ホームルーム始めるぞ〜」
担任の山口先生が教室に入ってくる。
山口先生はすごく怖い、けど時々名言が入ってくる、少し変わった先生だけど、頼りになる。
「えー、今日は転校生を紹介する〜...入れ、駒田」
駒田...!?
「はーい!今日からこの学校に通うことになりました〜!
駒田拓音(こまだ たくと)です!よろしく〜」
クラスがざわつく。
「はい、静かに〜!
席は...あー、原波の隣で」
「うぃっす」
そう言い、こちらに来る拓音、君。
お願い、何も言わないで...
「あれ、百花?
マジか、ここだったんだ〜!」
「ちょっ...拓音!
言わないでよ!」
「ん?百花?こいつと知り合い?」
あーもう、純也まで...
「おう!まあな!」
「ふーん、まぁ、よろしく頼むわ」
「あぁ」
そうして、放課後...
「百花!帰ろうぜ!」
純也に呼ばれた。
そっか、今日は部活ないんだっけ。
「うん!帰ろ〜」
がしっ、肩を掴まれた。
「ちょっと、痛いんだけ」
拓音だ...
「おい、こっちに来いよ」
「ちょっと、いきなりなんなの?
純也と帰るんだけど!」
「いいから来い!」
「はぁ?」
そう言い、連れてこられたのは校舎のそばにある体育館の裏だった。
「久しぶり、百花!
元気だった?」
「...いきなり優しくなるのやめてくれない?」
「は?」
グイッ
「ちょっと、何を」
「変わってないな、百花」
「うぐっ」
そう言い拓音は笑い出した。
「でもなんでみんなの前では性格が違うの?」
「んー?
だって、そうじゃないと百花、誰かに取られちゃうじゃんか」
無邪気に笑う、誰よりも純粋な笑顔で。
「ぷぷぷ...
なーんだ、誰にも取られないよ?
だって、いとこじゃん?
私はまだ拓音のものだから...」
「ちょっ...おま、周りに聞こえるだろ!?」
顔を赤らめる拓音、可愛いな…
「やっぱり変わってないね、拓音も」
「そうか〜?」
「うん!」
「んじゃ、今日は一緒に帰るか?」
「うーん、でも、純也待たせてるみたいだから...」
「言ったろ?
百花は、俺のものだ。
百花の隣にいていいのは俺だけだ」
「...分かった、純也には悪いけど久しぶりだもんね、拓音と帰るよ!」
「ほんと!ありがとう!」
本当に子供みたい...可愛いなぁ...
教室に戻ると、純也がいた。
「百花!帰ろう!」
「あー、ごめんね、今日は...」
「え?」
「純也...だっけ?
こいつは俺のもんだから、取るなよ?」
「もー、誤解されるような事言わないでよ〜!」
「ごめんって、ってことで今日はこいつと一緒に帰るから。」
「え、ちょっと、待っ...」
「じゃあね!純也、また明日!」
「...おう!またな!」
ちょっと悲しそうな顔だったな...
ちょっと申し訳ないかも...
ひょこ...拓音が顔を覗かせる。
「百花?」
「うわ!拓音!」
「...純也の事考えてたでしょ?」
「よく分かったね、なんか、ちょっと、悲しそうな顔だったから...」
「百花は、気にしなくてもいいのに」
「そっか、そうだよね、ありがとう!」
「うん!どっか寄って帰らない?」
「え、いいの?ありがとう!行く!」
「うーん、駅の方のデパートにするか?」
「うん!そこ、行きたかったの!」
「良かった〜」
そして歩くこと10分、デパートに着いた。