ここは平和で豊かな自然に溢れる高等学校...のはずだった。
『私立富咲高等学校』
たくさんの生徒がいるなか、立入禁止となってる場所がある。
体育館だ。
そこには、最新の機械があり、ひとつの組織となっている。しかし、体育館が立入禁止になっているのは、その組織が人を支配しているからだ。
そこの副幹部は、数年前に事故に遭い片目は見えないのだ。
しかし、幹部...つまり、トップの存在は語られていない。
そんな組織に抗う者達も当然現れるわけで、50人くらい挑み、全員支配されてしまった。
「どうすればいいのかなぁ...」
私は、豊海鞠奈(とようみまりな)。
この豊咲高校の2年生。今の目標は全員で体育館で卒業式を行うこと、隙を見つけて体育館に入り、組織全員倒すということ。
「隙って言ってもな...」
「ま〜た考えてるよ〜?」
「うわ、びっくりした!」
この子は波原花香(なみはらはなか)。高校からの付き合いだけど、結構仲がいいんだよね!
「体育館には入れないよ?
だってさ、あの組織に勝てるわけないじゃない。防ぎようがないよ〜!」
「でもさ、可能性あるかもじゃん!」
「...まぁ、確かにね。
そうだ、あの組織ってずーっといるわけじゃないみたいよ?
確か...土曜日、の午後はいないみたい。」
「おお!ありがとう!」
「って行くのね…気をつけてね?」
「任せなさい!」
土曜日
「とは言ったものの、やっぱり怖いなぁ…」
体育館の扉を開ける。
「っ!」
誰もいない...きっとここにみんなを元に戻す方法があるはず!
あ、あの機械って...
...もしかして、元に戻せる!?
「それでさー!...誰かいる?」
もう来た!?
「侵入者か...」
大丈夫、私には必殺技がある。
「てやー!」
何人かが襲いかかってきた。
「ニンニク!」
ニンニクを敵に向かって投げた。
ニンニクは組織に結構効くのだ。
「げ!ニンニク!?」
...よし、うまく行っ...
ガコンッ!
「え!?」
殴られた、後ろを見てなかったのか。
「...ん...」
「起きたか、いや、おはようございます。鞠奈様。」
「...えーと...おはよう、シューバッツ」
「「「「「おはようございます。」」」」」
「みんな、おはよう...」
月曜日
〜花香視点〜
鞠奈がいる…!?
「鞠奈、おはよう!」
「えぇ、おはよう。」
「?なんか変だよ、鞠奈?」
「何も変ではありませんわ、花香、そうそう、シューバッツ、来なさい。」
シューバッツ...?
...まさか!
裏切った!?
「はっ、シューバッツと申します。鞠奈様の護衛をやっております。以後、お見知り置きを」
「えーと、波原花香...です。」
「花香様ですね。よろしくお願いします。」
そして顔を上げた、閉じた右す目、やはり鞠奈はそっちの人になったのね...ふふふっ...鞠奈でも勝てなかったのね...
「花香、もう授業が始まるわ、シューバッツ、体育館にいなさい。」
「かしこまりました」
〜放課後〜
「鞠奈〜、一緒に帰ろ〜!」
「ごめんなさいね、用事があるの、一緒に来る?」
「うん!」
連れてこられたのは
「体育館じゃん!」
「そうよ?」
「鞠奈、演技?本気じゃないよね?」
「...当たり前、演技に決まってるでしょ、洗脳されたふりよ、ふり」
「さっすが!」
「いくわよ?」
「うん!」
「お待ちしておりました、花香様、鞠奈様」
「シューバッツ、花香にあれを」
「あれ?」
「ええ、って言っても、緑茶よ、安心なさい」
「うん...」
「こちらに」
「あ、ありがとう」
「さ、お飲みになって、新茶よ…私も飲んだわ、お茶菓子も」
「かしこまりました」
シューバッツが奥に行き、戻ってくる。
「さ、こちらです」
そうして、シューバッツは去っていく。
「さ、私に渡しなさい…花香、これは友達としての願い」
「で、でも...」
「大丈夫、なんとかなるから!」
そう言い、鞠奈は緑茶を奪い、飲んでしまった。
意識がもうろうとしてるようだ。
「...ばっかじゃないの、鞠奈...ふふっ...
土曜日の午後に空いてるなんて、組織の人以外、知るわけないでしょう?ね、シューバッツ」
「はい、豊海鞠奈、こんなにもたやすく引っかかるとは...花香様、おかえりなさいませ」
「ただいま、みんな」
「「「おかえりなさいませ」」」
「は、花...香...待って...」
「安心なさい、殺しはしないわ…(くすくす)」
「とりあえず、倒れてもらおうか」
「行きなさい、シューバッツ」
「はっ」
「待って...シュー...バッツ」
「おやすみなさい、豊海鞠奈」
そう言って、シューバッツは睡眠銃で鞠奈の頭を打った。
「さ、作業に戻りなさい…まだまだこれからよ...」
「「「はい!」」」
〜数時間後、鞠奈視点〜
「んぁ...ここは...」
あぁ、体育館の倉庫か...捕まったんだ...
「あら、起きたわね、鞠奈」
「は、花香!ちょっと、これはどういうこと!?」
「あら、まだ分からない?私は組織の人間よ?それも幹部...
あなたが鈍いのか、私の演技が下手なのか、はっきりしたわね?」
「騙したの!?」
「騙した?
...はっ、よく言うわね、前から私は組織に詳しかったでしょう?そりゃそうよ、組織の幹部だもの」
「ねぇ、お願いよ!目を覚まして!花香は...そんなんじゃなかった、もっとやさしかった!」
「...っ!何を言うと思ったら...」
「私は知ってる!花香は思いやりがある人だって!」
「ふん、シューバッツ...彼女を」
「はっ、どこに?」
「...」
「察しました...よろしいのですね?」
「...えぇ、そうして頂戴」
「はっ...行くぞ、豊海鞠奈」
「ちょっ...離してよ!」
そう言い、シューバッツは私の腕を乱暴に掴み引っ張っていった。
「どこに行くの!?」
シューバッツがいきなり止まった。
「お願いだ、鞠奈...
花香様を...助けてやってくれ...」
「え、ちょっ...何言ってるの?」
「花香様は壊れておられる...
鞠奈...お前が必要なんだ...」
訳が分からない...
「それに今、私のこと、鞠奈って...」
「あぁ、すまないね...
君のお父さんって今どうしてる?」
「私のお父さん?
...この組織を倒す予定だったのだけれどやられたの...
生きてるのかな...」
そう言った瞬間、シューバッツの手が私の頭に触れようとした。
「やめて!」
「...すまない」
つい強く言ってしまった。
「私もごめんなさい...」
「鞠奈、今からお父さんに会えるからな...
いや、もうここに居る…」
「どういうこと?シューバッツ以外誰も...」
まさか!?
「あぁ、そうだ、鞠奈、私がお父さんだ...」
「シューバッツが!?」
「あぁ、これは父からのお願いだ。花香ちゃんを助けてやってくれないか?」
ウソ...嘘だ嘘だ...でももしシューバッツがお父さんだとすれば…辻褄が合うか...名前を知っていたし...
「分かった、花香は任せて」
「ありがとう。立派になったな、鞠奈」
コツコツコツ...
「あら?まだ行ってなかったのね?」
「すみません、花香様...抵抗してくるので...」
「そう...」
「花香、私はどうなるの?」
花香はニヤリと笑った。
「組織側の人間になってもらうわ」
「そんな!?」
「あら?シューバッツ、何かあるのかしら?」
「鞠奈は...私の娘だ...どうか、それだけは...」
花香はシューバッツの頬を叩いた。
「ふざけないで!組織側の人間以外に情を持つなと言っただろう!?
これ以上余計な真似をしたら、シューバッツ、あなたは私が殺す...!」
「も、申し訳ございません...」
「お父さん!大丈夫?」
「あらあら、鞠奈、自分を捨てたお父さんを庇うなんて...」
「お父さんは私を捨ててなんかない!」
「そうかしら?
親子ごっこはそこまでよ(くすくす)」
コツコツコツ...
花香が去っていく
「大丈夫?」
「あぁ、大事だ...申し訳ないが、花香様の命令に逆らうことは出来ない、とりあえず、行こう」
「...うん」
〜花香視点〜
まずいわね...
鞠奈の父親がシューバッツだということは、知られてはならないはずだったのに...
「花香様?」
「うわ!...かなたん!?」
この子はかな、北谷歌奈(きたたにかな)私の親友だった子。
「考えるのもいいとのですが、お肌に悪いですよ?」
「そうだよね、ありがとう」
「もしかして、鞠奈ちゃんのことで悩んでる?」
「ち、違うわよ…ただ、シューバッツと鞠奈が親子だってことを鞠奈が知ってしまったの」
「そうなんですね...知られては駄目なのですか?」
「えぇ、情を持ってしまうでしょう?」
「それのどこに支障が?」
「そ、それは...ないけど...」
「親子なら、シューバッツさんも、喜びますよ?
戻してあげればよろしいのに...」
「嫌よ! シューバッツは、私のもの、この世の全て、私のものなんだから...ふふふっ...あはは!
豊海鞠奈...覚悟しなさい!」
「花香様...」
〜鞠奈視点〜
「ねー、お父さん...
みんなを元に戻したいんだけど、どうすればいいかな」
「そうだな、まず花香ちゃんから助けてあげないとな」
「そうだよね...」
「こっちだ、しばらくここにいてくれ」
連れてこられたのは小さい部屋だった。
そこにはベットなど、ある程度生活できるようになっている。
「これは、この施設の地図だ、必要なことは書いてある、頼むぞ、鞠奈」
「...うん!」
〜シューバッツ視点〜
はぁ、花香様も困ったものだ...
コツコツコツ...
「シューバッツ、連れていった?」
「はい、もちろんです」
「そう、話があるの」
「なんでしょう?」
「あの機械を動かすわ」
「なっ!あれを動かすのですか?
...誰に使うのですか?」
「ふふふっ、決まっているわ、鞠奈よ」
「っ!?」
「鞠奈は指導さえすればとてもいい材料になるわ」
「鞠奈を材料として扱うな!」
「あら?口ごたえ?
...いくら副幹部だとしても、身の程をわきまえなさい!」
「できない!
あなたには恩がある...しかし、それは昔のあなたにだ!今のお前に恩などない!」
「ふざけるな!
まぁいいわ、あの機械は動かす」
「そんなことさせない!
鞠奈は、父である私が守るのだ!」
クスリと笑い花香は去っていった…
鞠奈が危ない。
〜花香視点〜
ふふふっ...もう少し...もう少しよ!
私の世界が、完成する!
「あぁ、花香か、誰かと思った!」
「鞠奈、こっちに来て、いいことをしてあげる...」
「? うん!」
あぁ、鞠奈、可哀想に、きっと閉じ込められて思考が弱ってるんだわ!
ふふふっ…
「でっかい機械だねぇ」
「そうでしょう?中に入って」
「うん!...なんて、言うと思った?」
「何!?」
〜鞠奈視点〜
驚きの表情で花香はこちらを見ている。
「シューバッツ...いや、お父さん!
それにみんな!機械を...」
「「「はい!」」」
「そんなこと、させないわ!」
ニンニクを手に取る。
「ニンニク!?
...あぁ、余計なことを教えてしまったのね…
全ては私が悪かったのね...」
そうして、花香にニンニクを投げる。
そして、倒れていく。
『私立富咲高等学校』
たくさんの生徒がいるなか、立入禁止となってる場所がある。
体育館だ。
そこには、最新の機械があり、ひとつの組織となっている。しかし、体育館が立入禁止になっているのは、その組織が人を支配しているからだ。
そこの副幹部は、数年前に事故に遭い片目は見えないのだ。
しかし、幹部...つまり、トップの存在は語られていない。
そんな組織に抗う者達も当然現れるわけで、50人くらい挑み、全員支配されてしまった。
「どうすればいいのかなぁ...」
私は、豊海鞠奈(とようみまりな)。
この豊咲高校の2年生。今の目標は全員で体育館で卒業式を行うこと、隙を見つけて体育館に入り、組織全員倒すということ。
「隙って言ってもな...」
「ま〜た考えてるよ〜?」
「うわ、びっくりした!」
この子は波原花香(なみはらはなか)。高校からの付き合いだけど、結構仲がいいんだよね!
「体育館には入れないよ?
だってさ、あの組織に勝てるわけないじゃない。防ぎようがないよ〜!」
「でもさ、可能性あるかもじゃん!」
「...まぁ、確かにね。
そうだ、あの組織ってずーっといるわけじゃないみたいよ?
確か...土曜日、の午後はいないみたい。」
「おお!ありがとう!」
「って行くのね…気をつけてね?」
「任せなさい!」
土曜日
「とは言ったものの、やっぱり怖いなぁ…」
体育館の扉を開ける。
「っ!」
誰もいない...きっとここにみんなを元に戻す方法があるはず!
あ、あの機械って...
...もしかして、元に戻せる!?
「それでさー!...誰かいる?」
もう来た!?
「侵入者か...」
大丈夫、私には必殺技がある。
「てやー!」
何人かが襲いかかってきた。
「ニンニク!」
ニンニクを敵に向かって投げた。
ニンニクは組織に結構効くのだ。
「げ!ニンニク!?」
...よし、うまく行っ...
ガコンッ!
「え!?」
殴られた、後ろを見てなかったのか。
「...ん...」
「起きたか、いや、おはようございます。鞠奈様。」
「...えーと...おはよう、シューバッツ」
「「「「「おはようございます。」」」」」
「みんな、おはよう...」
月曜日
〜花香視点〜
鞠奈がいる…!?
「鞠奈、おはよう!」
「えぇ、おはよう。」
「?なんか変だよ、鞠奈?」
「何も変ではありませんわ、花香、そうそう、シューバッツ、来なさい。」
シューバッツ...?
...まさか!
裏切った!?
「はっ、シューバッツと申します。鞠奈様の護衛をやっております。以後、お見知り置きを」
「えーと、波原花香...です。」
「花香様ですね。よろしくお願いします。」
そして顔を上げた、閉じた右す目、やはり鞠奈はそっちの人になったのね...ふふふっ...鞠奈でも勝てなかったのね...
「花香、もう授業が始まるわ、シューバッツ、体育館にいなさい。」
「かしこまりました」
〜放課後〜
「鞠奈〜、一緒に帰ろ〜!」
「ごめんなさいね、用事があるの、一緒に来る?」
「うん!」
連れてこられたのは
「体育館じゃん!」
「そうよ?」
「鞠奈、演技?本気じゃないよね?」
「...当たり前、演技に決まってるでしょ、洗脳されたふりよ、ふり」
「さっすが!」
「いくわよ?」
「うん!」
「お待ちしておりました、花香様、鞠奈様」
「シューバッツ、花香にあれを」
「あれ?」
「ええ、って言っても、緑茶よ、安心なさい」
「うん...」
「こちらに」
「あ、ありがとう」
「さ、お飲みになって、新茶よ…私も飲んだわ、お茶菓子も」
「かしこまりました」
シューバッツが奥に行き、戻ってくる。
「さ、こちらです」
そうして、シューバッツは去っていく。
「さ、私に渡しなさい…花香、これは友達としての願い」
「で、でも...」
「大丈夫、なんとかなるから!」
そう言い、鞠奈は緑茶を奪い、飲んでしまった。
意識がもうろうとしてるようだ。
「...ばっかじゃないの、鞠奈...ふふっ...
土曜日の午後に空いてるなんて、組織の人以外、知るわけないでしょう?ね、シューバッツ」
「はい、豊海鞠奈、こんなにもたやすく引っかかるとは...花香様、おかえりなさいませ」
「ただいま、みんな」
「「「おかえりなさいませ」」」
「は、花...香...待って...」
「安心なさい、殺しはしないわ…(くすくす)」
「とりあえず、倒れてもらおうか」
「行きなさい、シューバッツ」
「はっ」
「待って...シュー...バッツ」
「おやすみなさい、豊海鞠奈」
そう言って、シューバッツは睡眠銃で鞠奈の頭を打った。
「さ、作業に戻りなさい…まだまだこれからよ...」
「「「はい!」」」
〜数時間後、鞠奈視点〜
「んぁ...ここは...」
あぁ、体育館の倉庫か...捕まったんだ...
「あら、起きたわね、鞠奈」
「は、花香!ちょっと、これはどういうこと!?」
「あら、まだ分からない?私は組織の人間よ?それも幹部...
あなたが鈍いのか、私の演技が下手なのか、はっきりしたわね?」
「騙したの!?」
「騙した?
...はっ、よく言うわね、前から私は組織に詳しかったでしょう?そりゃそうよ、組織の幹部だもの」
「ねぇ、お願いよ!目を覚まして!花香は...そんなんじゃなかった、もっとやさしかった!」
「...っ!何を言うと思ったら...」
「私は知ってる!花香は思いやりがある人だって!」
「ふん、シューバッツ...彼女を」
「はっ、どこに?」
「...」
「察しました...よろしいのですね?」
「...えぇ、そうして頂戴」
「はっ...行くぞ、豊海鞠奈」
「ちょっ...離してよ!」
そう言い、シューバッツは私の腕を乱暴に掴み引っ張っていった。
「どこに行くの!?」
シューバッツがいきなり止まった。
「お願いだ、鞠奈...
花香様を...助けてやってくれ...」
「え、ちょっ...何言ってるの?」
「花香様は壊れておられる...
鞠奈...お前が必要なんだ...」
訳が分からない...
「それに今、私のこと、鞠奈って...」
「あぁ、すまないね...
君のお父さんって今どうしてる?」
「私のお父さん?
...この組織を倒す予定だったのだけれどやられたの...
生きてるのかな...」
そう言った瞬間、シューバッツの手が私の頭に触れようとした。
「やめて!」
「...すまない」
つい強く言ってしまった。
「私もごめんなさい...」
「鞠奈、今からお父さんに会えるからな...
いや、もうここに居る…」
「どういうこと?シューバッツ以外誰も...」
まさか!?
「あぁ、そうだ、鞠奈、私がお父さんだ...」
「シューバッツが!?」
「あぁ、これは父からのお願いだ。花香ちゃんを助けてやってくれないか?」
ウソ...嘘だ嘘だ...でももしシューバッツがお父さんだとすれば…辻褄が合うか...名前を知っていたし...
「分かった、花香は任せて」
「ありがとう。立派になったな、鞠奈」
コツコツコツ...
「あら?まだ行ってなかったのね?」
「すみません、花香様...抵抗してくるので...」
「そう...」
「花香、私はどうなるの?」
花香はニヤリと笑った。
「組織側の人間になってもらうわ」
「そんな!?」
「あら?シューバッツ、何かあるのかしら?」
「鞠奈は...私の娘だ...どうか、それだけは...」
花香はシューバッツの頬を叩いた。
「ふざけないで!組織側の人間以外に情を持つなと言っただろう!?
これ以上余計な真似をしたら、シューバッツ、あなたは私が殺す...!」
「も、申し訳ございません...」
「お父さん!大丈夫?」
「あらあら、鞠奈、自分を捨てたお父さんを庇うなんて...」
「お父さんは私を捨ててなんかない!」
「そうかしら?
親子ごっこはそこまでよ(くすくす)」
コツコツコツ...
花香が去っていく
「大丈夫?」
「あぁ、大事だ...申し訳ないが、花香様の命令に逆らうことは出来ない、とりあえず、行こう」
「...うん」
〜花香視点〜
まずいわね...
鞠奈の父親がシューバッツだということは、知られてはならないはずだったのに...
「花香様?」
「うわ!...かなたん!?」
この子はかな、北谷歌奈(きたたにかな)私の親友だった子。
「考えるのもいいとのですが、お肌に悪いですよ?」
「そうだよね、ありがとう」
「もしかして、鞠奈ちゃんのことで悩んでる?」
「ち、違うわよ…ただ、シューバッツと鞠奈が親子だってことを鞠奈が知ってしまったの」
「そうなんですね...知られては駄目なのですか?」
「えぇ、情を持ってしまうでしょう?」
「それのどこに支障が?」
「そ、それは...ないけど...」
「親子なら、シューバッツさんも、喜びますよ?
戻してあげればよろしいのに...」
「嫌よ! シューバッツは、私のもの、この世の全て、私のものなんだから...ふふふっ...あはは!
豊海鞠奈...覚悟しなさい!」
「花香様...」
〜鞠奈視点〜
「ねー、お父さん...
みんなを元に戻したいんだけど、どうすればいいかな」
「そうだな、まず花香ちゃんから助けてあげないとな」
「そうだよね...」
「こっちだ、しばらくここにいてくれ」
連れてこられたのは小さい部屋だった。
そこにはベットなど、ある程度生活できるようになっている。
「これは、この施設の地図だ、必要なことは書いてある、頼むぞ、鞠奈」
「...うん!」
〜シューバッツ視点〜
はぁ、花香様も困ったものだ...
コツコツコツ...
「シューバッツ、連れていった?」
「はい、もちろんです」
「そう、話があるの」
「なんでしょう?」
「あの機械を動かすわ」
「なっ!あれを動かすのですか?
...誰に使うのですか?」
「ふふふっ、決まっているわ、鞠奈よ」
「っ!?」
「鞠奈は指導さえすればとてもいい材料になるわ」
「鞠奈を材料として扱うな!」
「あら?口ごたえ?
...いくら副幹部だとしても、身の程をわきまえなさい!」
「できない!
あなたには恩がある...しかし、それは昔のあなたにだ!今のお前に恩などない!」
「ふざけるな!
まぁいいわ、あの機械は動かす」
「そんなことさせない!
鞠奈は、父である私が守るのだ!」
クスリと笑い花香は去っていった…
鞠奈が危ない。
〜花香視点〜
ふふふっ...もう少し...もう少しよ!
私の世界が、完成する!
「あぁ、花香か、誰かと思った!」
「鞠奈、こっちに来て、いいことをしてあげる...」
「? うん!」
あぁ、鞠奈、可哀想に、きっと閉じ込められて思考が弱ってるんだわ!
ふふふっ…
「でっかい機械だねぇ」
「そうでしょう?中に入って」
「うん!...なんて、言うと思った?」
「何!?」
〜鞠奈視点〜
驚きの表情で花香はこちらを見ている。
「シューバッツ...いや、お父さん!
それにみんな!機械を...」
「「「はい!」」」
「そんなこと、させないわ!」
ニンニクを手に取る。
「ニンニク!?
...あぁ、余計なことを教えてしまったのね…
全ては私が悪かったのね...」
そうして、花香にニンニクを投げる。
そして、倒れていく。


