太陽が傾き、窓の外からオレンジ色の光が差し込んでくる、普段人が通らない校舎の3階の薄暗い廊下を歩いた1番奥の教室で上野香帆は机に向かって筆を走らせていた。

高校に入学して早1ヶ月。地元から1時間離れた県立十羽高校に入学した。友達は多くも少なくもなく、ごくごく普通の平凡に過ごしている。成績は中の上。クラスで目立った方ではない。この高校は校風が自由で校則はとてもゆるい。そのため、この学校はおしゃれな人が多い。私はおしゃれには興味があるがメイクは少し抵抗が…。やっていることといえばスカートを少し折るくらいが限界。
高校では影うすーく楽しめたらいいと思っていた………が。

ーガラガラガラッ


「ちょっとかくまってくれ!!!」

「ーえっ!?」

突然暗闇から現れたのは、クリーム色の髪を無造作にセットし、右耳に光る星型のピアス穴が印象的なクラスで人気者の大森雄飛だった。