なんだ、そういうことだったのかって妙に納得している自分もいる。だって、そうだよ。水野君が私を誘うなんて、どう考えてもありえないことだったのに。少し考えればわかることだったんだよ。

それなのに私は、水野君に誘われたと思い込んで舞い上がって……ドキドキして、今日の日を心待ちにしていた。

水野君は瑠夏ちゃんに頼まれたから仕方なく私を誘っただけだったのか。
誘ったといっても、すごく上から目線な言い方だったし、私と一緒に行きたいわけじゃなかったんだ。

……なーんだ。

「桃ちゃん、ごめんね。春ちゃんが、ちゃんと言っておいてくれなかったばっかりに……。私、桃ちゃんと仲良くなりたいなって思ってて。それで、春ちゃんにお願いして誘ってもらったの」

「あ、うん……全然大丈夫だよ。私もおかしいなと思ってたんだ」

ショックを隠すように、取り繕って笑って答える。大丈夫、普通に返せた。どこもおかしくない。うん、ちゃんと笑えている。

「あの、それでもしよかったらなんだけど……お祭り、一緒に回らない?」

三人でということなんだろう、瑠夏ちゃんが不安げに聞いてくる。

複雑な気持ちが込み上げた。だけどここで断るのは変だし、一緒に回りたいと言ってくれた瑠夏ちゃんの気持ちを無下にもしたくない。