三駅ほど進むと、この市で一番大きな大学病院が見えてきた。

色々な科があり、その中でも特に脳神経外科と心臓外科が有名なんだとか。

毎日たくさんの患者さんが名医を求めて訪れると、近所の人が言っていたのを聞いたことがある。


病院から駅が直結していて、駅の反対側には大きなショッピングモールがある。その中には映画館もあって、定期が使えるのでいつでも寄り道できるのが嬉しい。


学校の最寄り駅にはカラオケやファミレスもあるし、新しくできた友達ともたくさん遊べそう。


これから始まる高校生活に、さらに期待が高まる。


「遊ぶことばっか考えてないで、少しは勉強もするんだぞ」


未だに私の横顔を見つめる呆れ顔の蓮には、考えていることが全部わかっちゃうようだ。

思えば昔からそう。

私は感情がすぐに顔に出るらしく、口にしなくても考えていることがわかると蓮に言われた。

悔しい時や悲しい時は泣く。嬉しい時は笑うし、楽しい時も笑う。友達が悩んでいる時には必死に話を聞くし、誰かが困っている時には力になってあげたいって思う。

人には優しくしてあげなきゃいけないということを、小さい頃からお父さんやお母さんに言われてきた。


それは今でも私の中に強く根付いている。


蓮に言わせれば、私はバカ正直で素直。そして単純、人を疑うことを知らない性格をしているらしい。