「私、変なこと言ったかな?」
その自覚はないけれど、あからさまに元気がなくなった水野君を見てそう思わずにはいられない。
水野君は不安げな表情を浮かべる私を一瞥して、「べつに」とつぶやいた。
その言葉の裏側になにかがあることは明白だけど、なにも聞くなというようにシャッターがピシャッと下ろされたような感覚に陥る。
誰にでも触れてほしくないことはあるだろうし、これ以上踏み込んで聞けるような間柄じゃないので、私は「それならいいんだけど」とだけ返した。
「あ、それと。これだけは言っとくね」
私は気を取り直して再び水野君を見た。怪訝に眉をひそめて、じっと私を見つめ返してくる彼。
「この前〝俺と関わってもつまんない〟って言ったよね? でも私は、つまんないかどうかを決めるのは水野君じゃないと思う」
「はぁ? なにが言いたいんだよ?」
「えーっと……だから! つまんないかどうかを決めるのは関わった相手であって、水野君がそんな風に自分を卑下する必要はないってことと、私は水野君と仲良くなりたいと思ってるってことだよ」
「マジで……バカじゃねーの」
「うん、自分でもそう思う」
だけどなんでかな。気になるんだよ、水野君のことが。
わざと人を遠ざけて、わざと関わらないようにしている。
そんなきみから目が離せないのは、どうしてだろう。



