電車を降りた私は、迷うことなくショッピングモールへと続く駅の出口へと突き進む。
大きな駅だから出口がいくつもあって、さらには学生たちの姿がたくさんあった。
みんな友達とはしゃいで楽しそうにしている。
目的は駅直結のショッピングモールだろう。
その中に混ざるようにして、私もショッピングモールを目指した。
一人映画なんて普段はしないけど、この映画だけはどうしても観たくて、そう思ったら我慢ができなかった。
広いショッピングモールの中の五階へ行くため、エスカレーターを順番に上る。
映画館へと着くと、平日だからなのかチケット売り場はそこまで混雑しておらず、すんなりチケットを買うことができた。
映画までにはまだ少し時間があったので、トイレを済ませて売店の前をウロウロする。
お腹が空いたけど、今食べたら絶対に夜ご飯が入らないよね。
そうなったら確実にお母さんに怒られる。
我慢するしかないかな。
そんなことを考えていると、目の前を一人の人が横切った。
ぶつかりそうになり、後ろへ引くと背中が誰かに当たった。
「す、すみません」
そう言いながら振り向く。
するとそこには、ポップコーンを片手にあからさまに迷惑そうな顔をした人が。
それが誰なのかということは、顔を見た瞬間にわかった。
そして——。
「げっ」
思わず心の声がもれた。



