『悪いけど、俺のだから』
どういう意味で言ったんだろう。いや、意味なんてないよね。だって、水野君は瑠夏ちゃんのことが……。
「久しぶりだな」
「え、あ、うん……」
触れられているところがジンジン熱くて、水野君の顔をまともに見られない。
「元気だったか?」
「うん……」
まさか会えるなんて思ってなかったから、心の準備なんてまるっきりできていなくて。どんな顔をすればいいのかがわからない。
久しぶりすぎて緊張するのと、会えて嬉しい気持ちと、戸惑いと。
「なんかよそよそしいな。どうしたんだよ?」
至近距離から水野君に顔を覗きこまれて、思わずドキッとしてしまう。
「だ、だって……帰ってくるなんて、ひとことも。それなのに、突然現れるからビックリして」
「あー、わり。つーか、蒼と瑠夏には連絡しといたんだけどな」
「え、聞いてないよ」
昨日会った時だって、そんなことはひとことも言ってなかった。
「マジか。あいつら、夏目をビックリさせようと思ってワザと言わなかったな。ったく」
「どういう、こと?」
「数日前、あいつらにそっちに帰るって連絡したら、祭りに誘われてさ。なにがなんでも絶対に来いって。俺と夏目を祭りで引き合わせようとでも、企んでたんだろ」



