早く気づけよ、好きだって。


お祭り当日。この日は去年同様ものすごく暑かった。じっとしていても汗が流れ落ちて、ムワムワした空気が辺りを包んでいる。

夕方五時前、私は松野神社の鳥居の下にいた。まだ瑠夏ちゃんと蒼君の姿は見えない。

去年も浴衣だったけど、今年もお母さんに着せてもらった。お祭りは好きだし、年に一度か二度のイベントだもん。思いっきり楽しみたい。

「あれ? 夏目さんじゃね?」

すぐそばで声が聞こえた。うつむきながらボーッとしていた私は反動で顔を上げる。

そこには友達数人と一緒の佐々木君の姿。

「すっげー久しぶりじゃん」

「だね! ビックリしたー」

まさかこんなところで佐々木君に出会うとは思わなかった。

二年生になってからクラスが離れ、めったに会うこともなくなっていたけど、佐々木君は相変わらず爽やかな感じ。

他愛ない会話をしながら、佐々木君は言いにくそうに口を開いた。

「水野は元気か?」

「え? あ、どうだろ。連絡取ってないから、わからないや」

「あー、そうなんだ? なんか意外だな。てっきり付き合ってるのかと」

「な、ないない! ありえないよ!」

思わず大声で否定すると、佐々木君にクスクス笑われた。