早く気づけよ、好きだって。


ここには水野君の名前だけがない。それはどこを見ても同じ。この学校にはもう、水野君はいないのだ。

本気でサッカーをやるために、本来入学するはずだったサッカーの強豪校に、この春から編入することが決まった。

その高校はかなり遠いところにあるため、水野君は春休みの間に寮に入ってしまった。

これから始まるサッカー漬けの毎日。でも、それは水野君が決めたことだから。さみしくないって言ったらウソになるけど、応援するって決めたから、涙を我慢して笑顔で送り出したんだ。

それから毎日が楽しかったけど、私の心にはぽっかり穴が開いたみたいになにかが足りない。

夜になるとふとさみしくなったり、水野君のことをよく思い出す。連絡しようとしても、がんばってるんだから邪魔しちゃダメだと思ってできずにいた。

もちろん、水野君から連絡がくることもない。

きっと水野君のことだから、蒼君との夢を叶えるために一生懸命がんばっているんだろう。

ふとした時に少しくらいは、私のことを思い出してくれていたり……しないよね。水野君だもん。

もう私のことなんか忘れちゃったかな。もう会えないのかな。ううん、水野君が夢を叶えたら会いに行こう。