それから季節はめまぐるしく過ぎていった。寒い冬を乗り越え、やがて春がやってきた。
桜が満開の中、私は高校二年生になった。
「うっわ、俺だけ別クラー! おわた」
「きゃあ、やったぁ!」
クラス発表の掲示板の前で、きゃあきゃあと騒がしくなるのも無理はない。これから一年間一緒に過ごすメンバーが決まる、重要な日なんだから。
私は皐月と麻衣ちゃん、百合菜と掲示板をまじまじと見つめる。
七組のところで、麻衣ちゃんの名前と蓮の名前、そして自分の名前を順番に見つけた。そして次に皐月と百合菜の名前を見つけた時は、飛び上がるほど嬉しくなった。
「全員同じクラスなんて、すごくない?」
「ありえないよね、どんだけ神クラなの!」
「嬉しすぎるでしょ」
「これから今まで以上に毎日が楽しくなるね」
自然とほころぶ顔。春は新しい出会いの季節。ちょうど去年の今頃、水野君と出会ったんだ。
今でもはっきり覚えてる。
桜の木の下で、ストーカー扱いされたこと。あのムービーも今となっては、私の大切な思い出のひとつになった。
「どこにもないな、あいつの名前は」
うしろにいた蓮がそうつぶやいた。
「うん、そうだね。よかったんだよ、これで」



