早く気づけよ、好きだって。


うっ、やめてよ。優しく笑いながらそんなこと言うのは。今度はちがう意味でドキドキが止まらなくなる。

水野君はズルい。そうやっていつも振り回すんだから。

遠くなっていく水野君の背中。私が緊張しているのを知って、声をかけてくれたのかな。

顔が赤くなっているのは、走っているせい。うん、絶対にそう。

だけど不思議なことに、試合が始まる頃になると緊張はすっかり薄れていて。もうどうにでもなれという気分だった。

走って走って走って……。

サッカーは持久力が大事だと水野君が言っていたけど、その意味がようやくわかった。

あっちこっちに飛んで行くボールを追いかけるのは、並大抵のことじゃない。

息を切らしながらも、水野君にあれだけ走らされた甲斐があって、なんとかついていけた。だけどこれが何試合ともなると、最後まで持つかがすごく心配だ。

それほど疲れるし、点数が入らなければ入るまで走ってボールを繋げての繰り返し。

女子サッカーの試合と同じ頃男子サッカーの試合も始まっていて、応援することはできなかったけど、うちのクラスの男子ならきっと大丈夫だと信じている。

女子サッカーは試合終了までどちらにも点が入らず、PK戦に持ちこまれることになった。

こうなったらあとは運だけなので、任せるしかない。