球技大会までの約一週間、私と水野君の秘密の特訓は毎朝続いた。
そして——。
「水野、こっち!」
「おう!」
「いけっ、シュート!」
球技大会メンバーでのお昼休みの練習にも、積極的に参加するようになった水野君。
手を抜くことなく、時には佐々木君やクラスメイトにアドバイスしながら、一生懸命に取り組む水野君。こんなに一生懸命な姿を見るのは初めてで、クラスメイトはもちろん、ほかのクラスの女子や男子がうちのクラスの練習を見にきているほど。
「水野君って、やばいよね!」
「うん、すごくカッコいい!」
「いつもはやる気がなくて無愛想なのに、あんなに一生懸命な姿を見せられたら一瞬で落ちちゃうよー!」
ギャラリーからの黄色い声に、嬉しいような複雑なような。
ここ数日で今までのことがウソみたいに、クラスメイトとも仲良くなりつつある水野君。スポーツの力って偉大だと思う。男子はもうすっかり、水野君を受け入れている。
まぁ、佐々木君の力も大きいと思うんだけど。
水野君は私の前以外でもよく笑うようになったし、佐々木君たちと一緒にいるようになってからはとても楽しそうにしている。
それはとても喜ばしいことなんだけど、ちょっとさみしいとか思ってみたり。



