きて、くれたんだ……?
嬉しくて自然と頬がゆるむ。ダ、ダメだ、我慢しようとしてみても、できないよ。
だって、嬉しいんだもん。水野君はサッカーが好きだってことでしょ?
そのことが、たまらなく嬉しい。
「なに笑ってんだよ? 頭打って、ついにおかしくなったのか?」
「なっ! ついにって、なに? おかしくないからっ!」
相変わらず失礼極まりないけど、それでも今日はそれさえもが嬉しい。
「ははっ、冗談だろ。マジになんなよ」
「水野君のは冗談に聞こえないんだって」
プクッと頬を膨らませて、そっぽを向く。でも、内心では全然怒っていない。水野君とのやりとりが楽しくて、ついこんな反応をしちゃうんだ。
「怒るなって。な?」
ツンツンと指で頬を突かれた。その行動にビックリして振り返ると、太陽の下で優しく笑う水野君の姿があった。
「それより、大丈夫か? 思いっきりゴンッて……ぷっ。あ、わり」
「心配してるの? けなしてるの? どっち?」
「心配してんだよ」
「じゃあ許す」
「ん」
未だに寝そべったままの私に、手を差し伸べてくれる水野君。私はドキドキしながらその手を掴んだ。