声が震えている。手も足も、自分でもわかるくらいガクガクブルブル。動悸はさらに激しさを増して、頬が蒸気している。
はぁはぁと肩で息をしている私。一人の男の足が、水野君の足を踏みつけているのを真近で見てカッとなった。
「や、やめて……!」
男の足を振り払い、水野君の足をかばうようにして覆いかぶさる。そして、ギュッと目を閉じた。とっさに出てきてしまったものの、やっぱり私だって怖い。
固くて冷たいアスファルトの上。思いっきり膝をついたせいか、ズキズキと痛む。
「なつ、め……?」
水野君が小さな声でささやいた。
「なにこの女」
「さぁ、頭おかしいんじゃね?」
「はははっ、言えてる!」
「どけよ、てめぇ! 邪魔なんだよ!」
男の怒声がキンキンと頭に響く。
「どきません!」
怖くてたまらなかったけど、男の声に負けないほどの大きな声が出た。
「痛い目に遭いたいのかよ!」
「てめぇごとやっちまうぞ」
「そうしてもらって結構ですっ! だから、水野君には手を出さないで!」
水野君の大事な足を傷つけないで。
「なんなんだよ、マジでこの女」
「普通ここまでするか? こっわー」



