早く気づけよ、好きだって。


「ざけんなよ、てめぇ!」

「生意気なんだよ、睨みやがって!」

荒ぶる声が聞こえた。遠くのほうで、地面にうずくまりながら人が倒れているのが見える。その周りを、取り囲む男たち。

さっき見た人たちに似ているような気がする。

ま、まさか。倒れているのは、水野君……?

恐怖から動悸がした。足がガクガク震えている。でも、私は走るのをやめなかった。

「おら、なんとか言ってみろよ!」

男が足を振り上げた。そして横たわる水野君のお腹目掛けて蹴りを入れる。

——ドカッ

大きな音は私のところまで届いた。直視できなくて、思わず顔をそらしてしまった。

「少しは抵抗しろよ、やられっぱなしで恥ずかしくないのか?」

「殴られてても顔色ひとつ変えないなんて、大した根性してるよな」

「マジでムカつくわ、こいつ」

お腹や背中、あらゆるところに蹴りを入れながら男たちは笑っている。そして、一人の男が水野君の足を上から思いっきり踏みつけた。

「うっ」

小さくもれる呻き声。痛そうに水野君が顔を歪めた。

「お、効いてるみたいだな。おい、足を狙え」

そう言って不気味にほくそ笑む男。

「ダ、ダメッ……!」