早く気づけよ、好きだって。


「だ、だね! どうしよう、皐月……!」

「とりあえず、ここを出よう」

私たちは急いでお店を出た。さっきまで水野君がいたところまでダッシュで向かったけど、そこに人の気配はない。

このまま奥へ進むと、そこはちょうど駅の裏手側で人通りも少なく、人目につきにくい場所。真っ暗だし、正直すごく怖い。

「どうする?」

「わ、私、行ってくる! 危ないから皐月はここにいて!」

「桃一人を行かせられないよ! 待ってて、誰か呼んでくるからっ!」

「あ、ちょっと皐月……!」

皐月は駅のほうに向かって駆け出した。どうしよう、どうしよう、どうしよう。オロオロして落ち着かない私。

ただじっとしているだけのこの時間がすごくもどかしい。皐月はなかなか戻ってこないし、水野君のことが気になって気になって仕方がない。

今こうしている間にも、水野君になにかあったらと思うと居ても立っても居られなくなって、体が勝手に動いていた。

路地裏の奥を駆け足で突き進む。ところどころ細い路地になっていて、入り組んでいる。行き止まりの場所があったりもして、ややこしかった。

どこ?

どこにいるの、水野君!

またおせっかいだって言われちゃうかな。

でも、でもね——。

きみのことを想うと体が勝手に動くんだから、仕方ないじゃん。