次の日のお昼休み。

「おい、水野ー。いい加減、観念して作戦会議と練習に出ろよなー! おまえがいないと勝てねーんだよ、隣のクラスには!」

毎日のように佐々木君が水野君を説得している。球技大会はいよいよ、来週に迫っていた。

私も一応自主練をしているけど、一人でやるには限界があるので、最近では昼休みの練習に参加したりしなかったり。

佐々木君がわかりやすく女子にも教えてくれるので、昼休みはサッカーに出るほとんどの男女メンバーが集まって練習をするようになった。

その中で唯一、水野君だけがいない。

「水野ー、聞いてんの? 夏目さんも、なんか言ってやってよ」

「え? あ、えと。わ、私も最近みんなと練習してて! 特に佐々木君はとてもわかりやすく教えてくれるんだよ。水野君も一緒にやろう? 楽しいよ!」

いきなり話を振られたせいで、自分でもなにを言っているのかわからなくなった。こんな感じでよかったんだろうか。

いつもなら顔も見ずにどこかへ行ってしまう水野君。でも、今日はちがった。鋭い目で私を睨み、小さく口を開いた。

「なに浮かれてんだよ。バカじゃねーの」

冷たくそう言い放って席を立つ。ズキンと胸が痛んだ。