なんだか、バカにされてる気しかしないんだけど。
「悪かったよ、迷惑かけて。今度、うちの親がちゃんとお礼したいって。ごちそうさま、うまかった。おばさんにお礼言っといて」
「え? ああ、まぁ、べつに迷惑だとは思ってねーよ。困った時はお互いさまだしな。それより、もう帰るのかよ?」
立ち上がり、水野君は自分の荷物を持って出て行こうとする。
「そ、そうだよ、水野君。もう少しゆっくりしていけば? まだ万全じゃないでしょ?」
「や、でも、悪いし。これ以上迷惑かけられねーよ。それに、須藤は今日は予定があるんだろ?」
「ああ、つっても、塾だけど」
「自分ちで休んだほうが俺も気が楽だし、やっぱこのまま帰るわ。ありがとな」
「水野君、まさか走って帰るつもりじゃないよね?」
「…………」
急に黙りこむ水野君。やっぱり、走って帰るつもりだったんだ。
「蓮、私、水野君を家まで送ってくるから! じゃあね!」
二人で蓮の家をあとにする。荷物を取ってこなきゃ。そしてスウェット姿で電車に乗るわけにはいかないので、着替えなきゃ。
「うち、ここなの。着替えてくるから、中で待っててくれる?」
「俺、走って帰れるけど?」
「なに言ってるの、病み上がりなんだからっ! 水野君って、やっぱりバカだよね?」



