「き、きっと……蒼君は……そんな風に言ってしまった水野君の気持ちも、ちゃんと理解してると思う……っ。だって、親友なんでしょ……? だったら、ちゃんとわかってくれてるよ」
サッカーをやめることになって苦しんでいた蒼君。病気でツラかったのかもしれない。苦しかったのかもしれない。
でも一番悲しかったのは、水野君と一緒にサッカーができなくなったことだと思うんだ。だからこそ、そんな風に言ってしまった水野君の気持ちも、わかってくれているはずだよ。
「夏目には……わかんねーよっ。俺の、気持ちなんて……っ。わかって、たまるかよ」
水野君は声を震わせながら嗚咽を我慢してそう言った。
たしかに私にはわからないかもしれない。全部をわかってあげられないかもしれない。
「でも、わかりたいって思う……っ。知りたいよ、水野君のこと……」
「なんでだよ、なんでそこまで……俺のこと」
「わ、私は……水野君のことが好きだから……っ。だからっ」
どさくさに紛れて言ってしまった。こんな時に言うなんて、非常識だとも思った。でも伝えずにはいられなかった。水野君が本音で話してくれているのに、私も本音で向き合いたかった。
水野君は腕で顔を覆っていて、どんな表情をしているかはわからない。
お願いだから、早く、なにか言って。
「バーカ。わかって……たまるか、よ」
だんだんと小さく遠くなるその声。しばらくすると、水野君は寝息を立て始めた。
「えっ? まさかの、寝落ち……?」
ウソでしょ?
仕方ないか。熱があるうえに、こんな風に泣いて本音を言ったんだ。無理をさせちゃったかな。



