「俺……どうして。ここ、は……?」
ひどく混乱している様子の水野君。見覚えのない場所に、すごく戸惑っている。
まだ熱があるせいか、ツラそうだ。
「ここは蓮の家だよ。朝、私の目の前で、突然倒れたんだよ……っ。すごくすごく、すごーく……心配したんだからねっ」
「は? 須藤の、家……? 倒れたって、俺が?」
「そうだよ、熱があるのに無理して朝走ってきたりするから……体調が悪いなら、連絡してくれればよかったのに。バカだよ、水野君は……」
なんでそんな無茶をするの?
「ほんとはサッカーが大好きなくせに……意地っ張りだよ、水野君は。毎日、自主練してるんでしょ? 蓮のお父さんが言ってたよ、毎日鍛えている身体だって……好きなくせに、どうしてそんなにツラそうなの……? 苦しそうなの? そんな水野君は、見てられないよ」
「俺には、もう……サッカーをやる資格なんてないんだよ……」
苦しそうに絞り出されたその声。
「なんで? そんなこと……っ」
ないよ。そう言おうとして、言葉に詰まった。だって、水野君の目に涙が浮かんでいたから。
「俺……知ってるんだよ。あいつが……蒼が……病気だってこと。蒼がクラブユースをやめてしばらく経った頃……偶然、監督たちが話してるのを聞いたんだ……」



