いつもは乱れていない呼吸も、今日ははぁはぁと苦しそうに肩で息をしている。
「だ、大丈夫?」
「なんか……夏目の顔見たら……ホッとした……っ」
そう言い残して、水野君はドサッとその場に崩れ落ちた。
えっ?
「ど、どうしたの……? 水野君!」
その場にしゃがんで水野君に声をかける。だけど顔を歪めて苦しそうに息をして、私の声には一切反応しない。
「ちょっと、ねぇ! 大丈夫……っ?」
試しに水野君の肩に触れてみた。
「んっ」
小さく反応はあったけど、それでも意識は戻らない。もうろうとしていて、目を閉じたままツラそうに眉を寄せている。
今度はおでこに触れてみた。
「あ、熱っ」
もしかして、熱がある……?
体の不調を感じながらも、練習のためにここまで走ってきたの?
「バカ、だよ……っ。なにやってんの」
水野君にもしものことがあったら、どうしよう。私のせいだ、私の……。
涙があふれそうになったけど、泣いてる場合じゃない。私がしっかりしなきゃ。
動揺しながらも、震える手でスマホを操作して蓮に電話をかけた。



