大好きなはずのサッカーなのに、どうして……。
蒼君のことが、関係しているのかな。きっと、そうだよね。
「きてたなら、声かけろよ」
「えっ、あ、ごめん」
「まぁ、いいけど。あっちー」
スポーツタオルで汗を拭きながら、水を飲む姿にドキッとする。不純な動機といえば、そうだよね。水野君に会えるのが嬉しいなんて。
「じゃあ早速、昨日と同じく五周走れよな。そのあと、ドリブルしながら三周。それ、毎日の基本な」
「う、は、はーい……」
根性だけはあるほうなんだ、そう……根性だけは。だけど、筋肉痛に加えて昨日と同じ練習量はかなりキツい。
倒れそうになりながら、必死に足を動かす。痛い。苦しい。ツラい。疲れた。でも、がんばる。
その思いだけで、今日のノルマも無事達成。今日も水野君はスパルタだった。
それから毎日毎日、私はキツい練習をがんばった。
練習が始まって二週間が経った頃、ようやく体が慣れたのか筋肉痛がなくなった。同じ練習をこなしても、前よりクタクタになることもなく、体力もついたような気がする。
「なんか最近痩せた?」
朝、偶然一緒になった蓮と電車に揺られながら登校していた。
「あ、わかる? もうすぐ球技大会があるでしょ? それの練習をしてるの。コーチがかなりスパルタで、毎朝四時起きなんだよー」
「四時? 朝が弱い桃が?」
「そうだよー! 水野君、サッカーのことになると熱くてさ」
「へぇ、水野に教えてもらってるんだ?」



