早く気づけよ、好きだって。


言葉はキツいけど、朝早くから私の練習を見てくれて、指示するだけじゃなくて一緒に参加してくれていることを考えたらモンクなんて言えるはずがない。

それにここまで真剣に教えてくれているんだから、その気持ちに応えたいと思った。

「もっと足あげろ。しっかり狙いを定めてから、思いっきり蹴るんだよ」

「う、うん!」

「ちがう、そうじゃねー。もっと後ろまで足を持ってけ」

「う、後ろ……」

アドバイス通り足を後ろに蹴りあげた。そして思いっきりボール目掛けて振り下ろす。だけど私の足はボールにかすることなく、空をきった。

「きゃあ」

反動でバランスを崩し、後ろからその場に倒れこむ。はたから見たら、かなり恥ずかしいこの格好。

周りでランニングをしていた高校生や中学生の男の子にクスクス笑われているのがわかって、余計に恥ずかしくなった。

ううっ、もうやだ。疲れた。しんどい。苦しい。

「もうやめる?」

倒れこんだまま動かない私の頭上から、水野君の声が降ってくる。

「ううん、やめない」

やるって決めたから。ここでやめるわけにはいかない。やめちゃいけない気がする。

地面に手をついて立ち上がり、お尻や背中についた砂を払う。