ダメだと思いながらも、気になって瑠夏ちゃんのあとをつけた。すると瑠夏ちゃんは整形外科病棟ではなく、西側の心臓外科病棟へと向かう。
そして一番奥の個室の前までくると足を止めた。少しためらいがちにドアをノックし、中へと入って行く。
「蒼君、きたよ」
ドアが閉まったのを最後に瑠夏ちゃんの声は聞こえなくなった。
蒼……君?
もしかして、瑠夏ちゃんが前に話してくれた宝木蒼君?
水野君と仲が良かったっていう、あの。
ネームプレートがないから、たしかではないけど……。
なんで、こんなところにいるの?
いや、入院してるんだよね?
心臓外科の病棟にいるってことは……心臓が悪いの?
うそ、でしょ。だって、まさか。同い年で若いのに、病気になんかなるの?
——ガラッ
いろいろと考えを巡らせていると、病室のドアがいきなり開いた。
「え、桃ちゃん……? なんで?」
「あ……」
ビックリしたように目を見開く瑠夏ちゃん。私は気まずくて、言葉が出てこない。
それに、瑠夏ちゃんの目が赤いような気がする。
「とりあえず、広いところに行こっか」
「あ、うん」
瑠夏ちゃんの言葉に、私は素直に頷いた。



