早く気づけよ、好きだって。


「えー、そんなことないよ」

「いいや、桃ちゃんは優しい子だよ」

自分のことを優しいなんて、思ったこともない。それなのに、おばあちゃんはニコニコしながらそんな風に言う。

おばあちゃん、私、本当に優しくなんかないよ。蓮にひどいこと言ったり、瑠夏ちゃんのことも……傷つけちゃった。

今ではすごく後悔してる。

そう……後悔してるんだ。

「おばあちゃん、ありがとう。私、がんばるね」

おばあちゃんの言葉を裏切らないようにしたい。だから、行動しよう。今、初めてそう思えた。

しばらく話し込んでいると、外はもう真っ暗だった。夕食の時間がやってきたタイミングで、おばあちゃんの病室を出る。

ナースステーションの前を通って、中にいた看護師さんに小さく会釈してから廊下の突き当たりにあるエレベーターの前までやってきた。

するとタイミングよくエレベーターが二階で停まった。ドアが開いて、五人くらいの面会人が一気におりてくる。

中年の女性に混じって、一人だけ目を引いたのは制服姿の女の子。

えっ?

顔を見てビックリした。

瑠夏、ちゃん?

なんでこんなところに?

瑠夏ちゃんはエレベーターをおりると、私に気づかず行ってしまった。