信じてもらえないかもしれない。今さらって思われるかもしれない。でも、逃げないって決めたから。
「麻衣ちゃん、私ね……同じクラスの水野君のことが好きなの。お祭りの日も、私は水野君と約束してたんだよ。二人きりじゃなくて、水野君の幼なじみの瑠夏ちゃんって子も一緒だったんだけどね」
「えっ?」
麻衣ちゃんは大きく目を見開いた。
「蓮も、クラスの友達ときてた。蓮とは偶然おみくじのところで会っただけなの。そのあと二人で一緒に帰ったことは事実なんだけど、おみくじも一緒に引いてないし、私は蓮のことはほんとになんとも思ってないの」
「そう、だったの……? 私ったら、勝手に妄想して勘違いして……」
麻衣ちゃんの声が小さく震えている。
「ごめんね……桃ちゃん。私、すっごい嫌な奴だったよね……桃ちゃんに、たくさんひどいことしちゃった……ほんと、バカだ」
麻衣ちゃんはそう言って涙を拭った。
「う、ううん、私が悪いんだよ。紛らわしいことしちゃったから……」
「桃ちゃんは、なにも悪くないよ……! 私がちゃんと桃ちゃんに夏祭りの時のことを聞けばよかったんだよ。でも、怖くて聞けなかった。うまくいってるって聞いたら、黒い気持ちに支配されて……桃ちゃんのこと、嫌いになりそうで。応援なんかできないって思ったから」



