早く気づけよ、好きだって。


いったい、どういうこと?

「マジかよ。おまえに、こんな凶暴な友達がいるなんて……」

「お兄ちゃん、うるさすぎ。強引に私を連れ戻そうとするから、桃ちゃんが勘違いしちゃったでしょうが」

「はぁ? おまえが家出なんかするから悪いんだろ。たかが母さんがおまえのプリン食ったくらいで怒りやがって」

「うるさいなぁ、食べものの恨みは怖いんだよ?」

「だからおまえはいつまでたってもガキなんだよ」

「お兄ちゃんに言われたくないから!」

お兄、ちゃん……?

家出……?

プリン?

「どういう、こと……?」

麻衣ちゃんは男に襲われそうになってたんじゃなかったの……?

「桃ちゃん、ごめんね。この人、五つ上の私の兄なの。電車に乗って家出してきた私を、無理やり家に連れ戻そうとしてたんだよ」

「ええっ!?」

開いた口が塞がらないとは、まさにこのこと。私の勝手な勘違いで、麻衣ちゃんのお兄様にデッキブラシを……。それに、変態野郎って……。

あー!なんてことをしちゃったの、私は。

「ご、ごめんなさいっ! まさか、そんなことだとは思いもせずに……! お怪我はありませんでしたか?」

「べつに、大したことねーよ」

「ほ、ほんとにごめんなさい!」