「だから、まぁ、言っただけっていうか。気にしないで」

「つーか、目赤いけど?」

「え? あ、これ? 寝不足なんだよね」

わー、充血してる目を見られるなんて恥ずかしすぎる。っていうか、興味がないように見えて、よく見てるよね人のこと。

「なに? やらしーことでも考えてたのかよ?」

「なっ……」

やらしーことって……。

「そんなわけないでしょ!」

「怒るなよ、冗談だろ」

ムキになって言い返すと、水野君はのんきに笑った。

「昨日はまぁ、ちょっと色々あって……考え事してたらなかなか寝つけなかったんだよね」

色々って言っても、ほとんど蓮のことなんだけど。だってまさか、蓮が私を好きだとは思わなかったんだもん。

「幼なじみの男に告白でもされた?」

「えっ!? なんで知ってるの?」

ビックリしすぎて思わず水野君のほうに身を乗り出した。そして食い入るように顔を覗きこむ。

なんで?

どうして?

「水野君と蓮って、仲良かったっけ?」

わけがわからなくて、軽いパニック状態に陥った。

「マジかよ。冗談で言っただけなのに」

パニック状態の私を見て、今度は水野君がビックリしている。

「冗談……?」