その日お昼休みに入る前から雨が降り出した。悩んだ末に、教室でお弁当を食べることに。カバンの中からお弁当を出して机の上に置く。
すると、隣の席の水野君が同じように自分の机の上にお弁当箱を置いた。そしてそのまま包みを開き、お箸を出して食べ始める。
「食わねーの?」
食べ始めて少し経ったとき、水野君がちらっとこっちに視線を向けてそう言い放った。そして、また前を向いて続きを食べる。
もしかして、気を遣って私と一緒にいるようにしてくれているのかな。
「た、食べる!」
隣に水野君がいてくれるから、ひとりぼっちじゃない。なんでだろう、それだけですごくホッとする。
心にポッと火が灯ったみたいに温かい。
「ありがとう、水野君」
「なんだよ、改まって」
「なんだか、伝えたくなっちゃったの」
「はは、なんだそれ」
クスッと笑われて、それだけで私の頬は熱くなった。好きだっていう気持ちは、とてもやっかいだ。水野君の行動や言葉のひとつひとつに、いちいちドキドキさせられる。
「昨日言ってくれたでしょ? 思ったときに伝えないと、後悔するって。あの言葉、胸に響いたんだよね」
どうしてかな、水野君には素直になれる。思っていることがついつい口から出てくる。



