あちこちスマホを触っていると、指が勝手にボタンを押してムービーモードに切り替わった。
「あ、あれ? どうやってカメラに戻すんだっけ……」
このボタンかな?
そう思って指を伸ばした時だった。
——ザッザッ
後ろに人の気配がして、思わずハッとした。
だ、誰?
うかがうように恐る恐る振り返る。
するとそこには、気だるげな表情で立つ男子の姿があった。
身長は蓮と同じくらいか、それよりも少し高め。
両手をポケットに突っ込み、脇にスクールバックを抱えているその男子は、まっすぐに桜を見上げている。
同じ新一年生だろうか。
制服にはシワひとつなく、真新しい感じがする。スクールバックも私同様、新品だ。
思わずまじまじ見つめてしまう。
だけど彼は私の視線に気づいていないのか、こっちを見ようとはしない。
ひとことで表すとクールで無口なイメージ。
奥二重のスッキリとした印象の瞳に、スッと伸びた鼻筋、薄いピンク色の唇。
すごく整った顔をしているうえに、小顔でスタイルも抜群。
さらには体格もよくて、肩幅なんかもがっしりしている。そのせいか、学ランがすごくよく似合っていた。
無造作にセットされた黒髪は太陽の光に照らされて、キラキラとまぶしくて。
——カッコいい。
そんな風に思ってしまった。



