水野君はこんなところにいる私を変な目で見ている。そりゃそうだよ、花壇の前でお弁当を食べようとしてるなんて変わってるよね。
「なんでこんなところにいるんだよ?」
「えーっと、ここは人がいなくて穴場なんだよ。ほ、ほら、ひまわりだって綺麗だしさ!」
水野君から視線を外し、花壇に咲いているひまわりを見つめる。愛想笑いを浮かべてみたけど、なんだかうまく笑えない。
「まぁ、ひまわりは綺麗だよな。それよりも、なんかおかしくね?」
「え? ひまわりが?」
「いやいや、夏目がだよ」
「私?」
「明らかにいつもとちがう気がする」
そう言いながら、水野君は私の顔を覗き込んでくる。太陽の光を背に受けて、キラキラと輝く黒髪。風に吹かれた水野君の髪の毛が横に流れる。
前髪のすき間から見えたのは、まっすぐで真剣な眼差し。男らしくて、カッコよくてドキッとする。
「おかしく、ないよ。いつもと一緒」
水野君の瞳はそんな私の強がりを見透かしていそう。
「いつもしつこく絡んできた夏目が大人しいと、調子が狂うっつーか。俺としては平和でいいけど、最近元気ねーなって思って」
私のことを心配してくれてるの?
どうしよう、それはすごく嬉しい。



