だって友達に避けられているなんて、その理由もわからないなんて言えないよ。情けなさすぎるもん。
それに、瑠夏ちゃんのことだって。
私の性格の悪さをさらけ出すようなものだもん。蓮には言えない。
「いろいろ、ね。悩める乙女ってやつ?」
「その言い方、古くない? いつの時代の言葉?」
「やけに突っかかってくるな。マジで大丈夫か? 切羽詰まってるなら、相談に乗るけど」
わかってる。蓮は悪くない。でも、今の私は誰に対しても優しくなれない。
「だからいいって言ってるじゃん、しつこいなぁ」
「しつこくても、それほど心配してるってことだから」
「だいたいねぇ、蓮には私の気持ちなんてわからないよ。心配されても迷惑でしかないから」
心の奥から次々といろんな気持ちがあふれた。こんなことを言いたいわけじゃない。でも勝手に口から出てくる。
「わからないから、知りたいって思っちゃいけないのかよ?」
珍しくムキになって蓮も言い返してくる。ムッとしているのか、さっきまでの穏やかさはない。
「私は知られたくないの。話したくないの。幼なじみだからって、なんでも突っ込んで聞いてこないでよ! 迷惑なの! ウザいの! それに、蓮には関係ないでしょ! ほんと、そういうとこ空気読めないよね」
次から次へと言葉が出てきて止まらない。ハッとした時には遅くて、蓮はそのまま黙り込んだ。
しまった、さすがに言いすぎた。
「悪かったな。これからは突っ込んで聞かねーよ。でもまさか、そこまで言われるとは思ってなかった。俺、先に行くわ」
蓮は私の返事も聞かず、歩く速度を上げて私から離れて行く。
取り残され、その場にぽつんとたたずむ。
なによ、バカ。
蓮の……バカ。
話したくないんだよ。知られたくないんだよ。こんな情けないこと。だってみっともないじゃん。かっこ悪いじゃん。
微妙な乙女心を察してよ。
蓮の……バカ。
でも、だけど……。
皐月もこんな気持ちだったのかな。
蓮にズバズバ問いつめられて、話したくないことを聞かれて、うっとおしいと思ってしまった。
皐月も同じ気持ちだった?
今になってわかった。
話したくないことだって、あるよね。
でもさ、じゃあ、どうすればよかったの?



