なんとか足を動かして前へと進む。視聴覚室へ移動しなきゃいけないのに、フラフラと足取りがおぼつかなくて、立っているのがやっと。

どう、しよう。

っていうか、なんで?

私、なにかしたの?

その口ぶりだと、そんな感じだよね。

でも身に覚えがない。無意識に嫌なことをしちゃったのかな……。

いくら考えてみたってわからない。

もしかしたら、皐月の態度がおかしいのも麻衣ちゃんのことに関係があるの?

なにかあるなら、ちゃんと言ってくれなきゃわからないよ。

今まで仲がよかったのに、急にこんなことになるなんて思ってもみなかった。

皐月とも仲良くやれていると思っていたのに……。

私たちは友達じゃなかったの?

どうしてなにも言ってくれないんだろう。

視聴覚室は自由席で、私は誰も座っていない窓際を陣取った。四人掛けの机と椅子。隣の席を皐月用にキープして椅子に座る。

授業が始まる直前にやってきた皐月は、ドアに近い空いていた席に荷物を置いて座った。

いつもなら私の姿を探してくれるのに、今日はそんなそぶりもなく、同じ席に座っている子たちと楽しそうに笑っている。

明らかに避けられているのがわかって胸が苦しい。

どうして?

ねぇ、なんで?

自分がなにをしてしまったのかもわからないし、どうすればいいのかもわからない。

でも、このままでいいわけがない。