早く気づけよ、好きだって。



三人で校門をくぐると、その瞬間に優しい風が吹いてあたりに桜の花びらが舞った。

周囲に目を向ければ、遠くのほうで校庭に植えられた何本もの桜の木がそよそよ揺れている。

どうやら花びらはそこからきたらしい。

「桃、どこ行くの? クラス表見に行こうよ」


桜の花びらに誘われるように、私の足はクラス表がある人だかりではなくひと気のない校庭へと向かう。


「ごめん、蓮と先に行ってて」


「えっ? ちょっと!」


「すぐ追いかけるからー!」


次第に速足になる私。後ろでは百合菜が「もう」と呆れた声を上げている。

蓮はそんな百合菜に「いつものことだろ」と淡々と返す。


だって、桜が気になるんだもん。


中学の時とは比べものにならないほどの大きな校舎。

角を曲がると校舎は横に広がっており、曲がった先が生徒玄関になっていた。

玄関の正面にちょうど校庭があって、十段ほどの階段を下りるとグラウンドへと繋がるようだ。


「わぁ、すごい」


目の前に広がるピンク色の景色。

フェンス沿いにズラリと並んだ桜の木が、どれも見事に見頃を迎えている。


風が吹くたびに花びらが舞って、幻想的な雰囲気に思わず見惚れてしまった。