「え、なにが?」
「えっと……最近、皐月の様子がおかしいから、私、なにか怒らせるようなことをしちゃったのかなって」
キョトンとする皐月に、口ごもる私。皐月は真顔で私を見つめている。皐月のまっすぐな瞳を見ていると、なんだか責められているような気になってドキリとする。
「べつに、なにもないよ?」
そうは言うものの、皐月の目は笑っていない。言葉のはしばしから、なにかあるってバレバレだ。
背中に変な汗が伝うような感覚がした。
前までならなんでも話してくれたのに、なんで話してくれないの?
思わず黙り込み、視線を下げる。皐月はそんな私に、小さくため息を吐いた。
ズキリと痛む胸。やっぱり、なにかがおかしい。
「じゃあ、もう行くね。先に視聴覚室に行ってていいからー!」
「え、あ……待って」
まだ聞きたいことの答えが聞けていないのに。
けれど、皐月は私の声を無視して教室から出て行ってしまった。
思いっきり突き放されたような気がするのは、気のせいかな。
どうして?
なんで?
思い当たる理由なんて全然ない。考えてみれば、夏休み明けから皐月の様子がおかしいような……。
皐月と夏休み中に遊ぼうって言ってたのに、結局遊べなかったから、ほぼまるまる一ヶ月間皐月の近況を知らないことになる。



