早く気づけよ、好きだって。


とても思いつめた顔をしていたから、ずっと気になっていたんだ。

「気のせいだろ」

「え、でも」

そんなはずはないと思うんだけど。水野君の声が、一瞬だけ表情がこわばったような気がする。

触れない方がよかったのかな。

これ以上は話しかけるなオーラを出してきたから、それ以上はなにも聞けなかった。

しばらくして皐月がやってくると、水野君は私から顔を背けて机に突っ伏した。

私もそのまま前に向き直り、やってきたばかりの皐月に声をかける。

「おはよう」

「あ、おはよう」

「久しぶりだね。夏休みの間、どうしてた? 私はね——」

「ごめーん! 私、他のクラスの友達に呼ばれてて! ちょっと行ってくるね」

皐月は私の話をさえぎって申し訳なさそうにそう言うと、そそくさとカバンだけを置いて教室から出て行ってしまった。

目すら合わなかったけど、なにか急ぎの用事だったのかな?

いつもの皐月らしくない態度に疑問を感じつつも、次々とやってくるクラスメイトに声をかけられて、疑問はいつの間にか消えていた。

久しぶりの学校ということもあり、ワイワイガヤガヤといつにも増してうるさい。

近くの席に座っていた子と話していたら、予鈴が鳴ってみんなが席に着き出し、皐月も戻ってきた。