「須藤君も、おはよう」
百合菜は私の隣にいる蓮を見てにっこり笑った。
愛嬌のある天使みたいな笑顔が、大人びていてとても綺麗。
こんな顔を向けられたら、普通の男子ならひとたまりもないはずだ。
「はよ」
だけど蓮はそんな百合菜に表情ひとつ変えず淡々と返す。
「朝からテンション低いねー! 新学期の始まりだよ? 明るくいこうよ、明るく!」
「そういうテンション、めんどくさい」
「めんどくさいって。相変わらずだなぁ、須藤君は」
百合菜は人見知りせず誰にでも声をかけて仲良くなるタイプ。
普段は猫かぶりの蓮も、百合菜には私同様素の姿を見せている。
クスクスと笑う百合菜と、めんどくさそうにしかめっ面を浮かべる蓮。
蓮が女子に心を開いているのは、私と百合菜くらいだ。
実はひそかに、この二人はお似合いだなぁと思っていたりするんだよね。
蓮は少々意地悪なところがあるけど基本的には悪い人じゃないし、百合菜は明るくてオシャレで美人だし。
二人が並ぶと身長差も理想的でバランスがよく、まさに美男美女の憧れのカップルっていう感じ。
一度百合菜にそんな話をしたら「私と須藤くんが? あはは! ありえないって」と軽く笑い飛ばされたっけ。
それ以来口に出してはいないけど、うまくいくといいなぁと勝手に思っている。
まぁ、蓮も百合菜も恋愛にはあまり関心がないみたいだから、想像だけの話ではあるんだけど。



