早く気づけよ、好きだって。


ジンクスのことをあっさり暴露した蓮に、私はしどろもどろになりながら返す。

いつもなら空気を読んでくれる蓮だけど、なんだか今日は意地悪だ。

「好きな男子誘って祭りに行くんだって、俺のクラスの女子は盛り上がってたけどな」

「う、うちのクラスでは、そんなジンクスなんて聞いたこともないよ! ね、水野君!」

私は水野君に同意を求めた。

蓮のバカ。

お願いだから、これ以上はなにも言わないでー!

「興味ねーな、ジンクスなんて」

水野君は淡々とそう言い放ち、フンと鼻で笑う。

「興味がないのは、水野だけかもな。桃はどうだか」

「ちょっと、蓮! こっちきて!」

耐えきれなくなり、蓮の腕を掴んで引っ張った。水野君から少し離れた場所で、蓮に詰め寄る。

「なんでそんなこと言うの?」

「そんなことって?」

「ジンクスのことだよ! 私の気持ちを知ってて、どうして水野君に変なことを言おうとするの?」

蓮の腕をギュッと握って、下からまっすぐに顔を見上げる。明らかに不機嫌さを出す私に、蓮は悪びれる様子もなく真顔で私を見下ろしていた。

蓮の腕に力が入っているのがわかる。だけど蓮は、私の手を振り払おうとはしなかった。

「べつに変なことじゃないだろ。本当のことだし」

「そうだとしても、蓮の口から言うのはおかしいでしょ。それに、私は知られたくないの」