「お世話をしてますって……」
蓮が苦笑する。蓮の友達が二人、おみくじを引き終えて後からやってきた。
私たちに気づくと、気を遣ってなのか「先に行ってるぞ」と言い残し、私たちに軽く会釈をして行ってしまった。
「いいの? 友達」
「ん? ああ、もう帰ろうとしてたから」
「ならいいんだけど」
全てを知っている蓮に水野君のことを知られるのは、なんだかとても気まずい。
水野君は猫かぶりモードの蓮に対して、だんまりを決め込んでいる。
『俺さ——』
その言葉の続きがとても気になる。妙にかしこまった声だったから、余計に。なにか重要なことを言い出しそうな雰囲気だった。
今はそんな空気はカケラもなくて、まるで教室の中にいるいつもの水野君みたい。
「二人で一緒におみくじ引いたんだ?」
思わず水野君の横顔に見入っていた私は、蓮に聞かれてハッとする。
「う、うん、そうだけど」
おみくじのジンクスのこと、蓮も知ってるのかな?
「うそかホントかわかんないようなジンクスがあるよな、ここ」
——ドキッ
やっぱり知ってるんだ。水野君に話したりしないよね?頼むから、余計なことは言わないで。
そんな意味をこめて、蓮の目をじっと見つめる。すると、すぐにプイとそらされてしまった。
「へ、へぇ、ジンクスなんてあるの? 知らないなぁ」
なんてとぼけたフリをしてみせる。だけど蓮にはきっとバレバレなんだと思う。
「女子はみんな知ってると思ったけど? 好きな奴と一緒に参拝しておみくじを引くと、その相手と結ばれるって」
「な、なに、言ってくれちゃったりしてんの……!? そんなわけないでしょ」



